株式会社アミタ持続可能経済研究所

持続研通信 ~ 霜降号 08.10.29 ~ Vol.71

持続研通信 ~ 霜降号 08.10.29 ~ Vol.71

++ 目次 ++

 ●「公務員4人の10万人都市 ―誰が『公』を担うのか?―」
  (佐藤博之)

 ●持続研の動き 

 ★お知らせ
  : 体験型プログラム「ヒノキ学習机をつくろう!」 開催
  : 岡山県西粟倉村 挑戦者求む (ワークショップ型就職説明会)
   [西粟倉村雇用対策協議会主催]
  : カンパニープログラム説明会 開催

 ★スタッフ雑記

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 ●「公務員4人の10万人都市 ―誰が『公』を担うのか?―」
        (アミタ持続研 地域デザイン部 部長 佐藤博之)
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 アメリカには職員がたったの4人しかいない10万人都市が存在する。
 それは、ジョージア州アトランタ近郊のサンディ・スプリングス市
 である(以下、SS市)。
 このたび、私はアメリカにおけるPPP(Public-Private Partnership
 -公民連携)の実態調査に参加する機会を得た。
 若干長文となるが、ここにその一部を私見とともにご紹介したい。

 (以下、巻末に続く)
 
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 ●持続研の動き
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 ―― 新聞・雑誌 ――

 ・「MSC漁業認証に審査員」
  ⇒京都都府機船底曳網漁業連合会によるMSC漁業管理認証の取得に
  際し、アミタは持続可能経済研究所の専門家を認証の審査員として
  派遣した。
  [10/1 環境新聞]

 ・「京底連 MSC認証授与式 アジア初の認証を祝福」
  ⇒10月9日に京都府機船底曳網漁業連合会のMSC漁業管理認証授与式
  が行われ自然産業部 部長の有路が認証機関TQCSIの審査員として審査
  講評を述べた。
  [10/14 日刊みなと新聞 9面]

 ・「滋賀県高島市発 これでカメもカエルも帰れる!
               『亀カエルスロープ』 大発明!」
  (本多主任研究員 = 多田実)
  『BE-PAL』11月号「月刊雑魚釣りニュース」[小学館]
  ※同号の目次ページの人気連載「NOW and THEN」では、
   多田実の知られざる誕生秘話と人生遍歴が紹介されています。

 ―― 学会発表 ――

 ・「持続可能な水産物をめぐる国際的動向の分析
  ―グローバル市場における責任ある水産資源利用に向けて―」
  (田村主任研究員、渡邊研究員)
  [9/28 環境経済・政策学会2008年大会 於:大阪大学]

 ―― 講演 ――

 ・「海とかかわる人々」(田村主任研究員)
  [10/8 総合講座 於:京都精華大学]

 ・「生産者を取り巻く環境」(田村主任研究員)
  [10/18 にっぽんe物産市プロジェクト 於:経済産業省]

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 ★お知らせ
  : 体験型プログラム「ヒノキ学習机をつくろう!」 開催
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 豊かな原生林の広がる木の里 岡山県西粟倉村で、体にやさしい
 ヒノキで作る無垢の学習机 体験プログラムを開催します!
 森の木をきるところから、机の仕上げまで全ての工程を体験しな
 がら、森と人とのつながりをぜひ感じてください。
  [(株)木の里工房 木薫、(財)西粟倉森の村振興公社主催]

 体験プログラム日程
 第1回 2008/11/ 2(日)、3(月)の1泊2日
 第2回 2009/ 1/17(土)
 第3回 2009/ 3/ 7(土)、8(日)の1泊2日 以上 計5日間

[詳細情報]
 http://www.amita-net.co.jp/aise/newsrelease/post_2.html

 [申し込み・お問合せ]
  西粟倉森の村振興公社
  〒707-0503 岡山県英田郡西粟倉村影石420-1
  Tel: 0868-79-2330(窓口受付時間 9:00~17:00)

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 ★お知らせ
  : 岡山県西粟倉村 挑戦者求む (ワークショップ型就職説明会)
   [西粟倉村雇用対策協議会主催]
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 岡山県西粟倉村は、鳥取と兵庫の県境にある人口1600人の村です。
 ワークショップ形式の説明会では、現場で数々の農山漁村の振興を
 手がけた講師を迎え、この村の挑戦を加速させていく「事業の芽」
 を考えていきます。
 田舎で何かに挑戦したいという方、ぜひともお待ちしております。
 [西粟倉村雇用対策協議会主催]

 [2008/11/8、15 説明会開催  於:大阪、西粟倉]
 詳細情報・参加申込・お問合せはこちら ↓
 http://www.nishi-koyou.jp/news/workshop_20081108.html

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 ★お知らせ
  : カンパニープログラム説明会 開催
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 カンパニープログラムとは、社会人、学生関わらず
 アミタの理念に共感された方々(カンパニー)と共に
 社会課題解決のためのプロジェクトを企画、実行させる
 取り組みです。

 自分も何かしてみたい!一緒に活動してくれる仲間がほしい!
 熱意はあるんだけど、なにから始めていいかわからない。
 そんな方々はこれを機に、一歩を踏み出してみませんか?

 カンパニープログラム説明会
 東京 11月11日(火) 19:00~21:30 (18:30開場)
 大阪 11月21日(金) 19:00~21:30 (18:30開場)

 詳細情報・参加申込はこちら ↓
 http://amita.weblogs.jp/blog/companyprogram.html

 カンパニープログラムに関してのお問い合わせは、
 company@amita-net.co.jp
 カンパニープログラム担当者宛でお願いいたします。

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 ●「公務員4人の10万人都市 ―誰が『公』を担うのか?―」
        (アミタ持続研 地域デザイン部 部長 佐藤博之)
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 (巻頭より続き)

 サンディ・スプリングス市(以下、SS市)は住民投票により2005年に
 新たに設立された。
 市の結成にあたって市民が重視したのは、税金を効率よく使う
 「効率的な政府」であり、市民に「責任を持つ政府」であった。
 それは、それまでサービスを受けてきた郡政府にいくら求めても
 叶わなかった姿でもある。

 そこで、市民が選んだ道は、自治体業務の全面的な民間委託
 (アウトソース)である。しかもそれは包括的に1社の民間企業に
 対して委託された。総務から、財務、広報、公共工事、都市計画
 までその委託内容は幅広く、SS市の公務員はシティ・マネジャー
 を筆頭に管理役の4名しかいない(警察と消防は、別に直接雇用)。

 受託企業はCH2M HILL社(以下、C社)。C社は世界に2万人以上の
 従業員を抱える大手建設会社である。上下水道などの公共事業で
 培ってきたプロジェクトマネジメントの経験を活かしつつ、
 リスクをとってアメリカでも前例のない業務を手がけた。
 その成果はすぐに目に見えてきた。
 
 サービスの質は郡政府時代に比べて大幅に向上し、住民の満足度
 は高くなり、さらに効率的な業務により年間22億円ものコスト
 削減ができた(市は余剰を未来への投資に使った)。
 数々のアワードを受賞するなど全米から注目も集めた。
 
 なぜ民間委託は成功を収めたのか。
 その要因を私の考えでいくつか挙げておきたい。

 1. 政策の意思決定はSS市が行うが、実施方法についてはC社に
 任せることで、創意工夫が働いた。
 だからC社からの提案で業務が効率的に進んでいく。
 「何をしたのか(Activity)」ではなく、
 「何ができたか(Performance)」で業務を評価する。
 評価が低ければ契約を継続できない仕組みである。

 2. C社のスタッフには住民は顧客であるという意識が徹底している。
 「Customer Service First(顧客サービスを第一に)」という標語
 が至るところに掲げられている。

 3. 高いレベルの業務遂行のために、C社は本社(デンバー)を含めて
 プロフェッショナルな人材を投入し、経験のない業務は全米から
 優秀な人材を集めた。また、ITや公共工事では最新の情報をもとに
 最新の技術の導入を行った。

 さらに、SS市での成功を受け、C社がジョーンズ・クリーク市など
 他の新設自治体からも包括受託を受けることとなったのが、
 成功を決定付けた。複数の自治体業務を請け負うことで、同種の
 業務はまとめてバックオフィスで行うことができる。同社が
 Shared Serviceと呼ぶ効率的方法により、さらにコストを削減する
 ことができた。成功事例はすぐに他の自治体に水平展開できる
 利点もある。

 これらのことは、企業経営においてはある意味で「当たり前」に
 行われていることである。
 言い方を変えると、企業が「得意なこと」である。
 一方、政策的な意思決定や住民合意という政府の本質的な役割は、
 選挙で選らばれた市長と市議会が行っている。
 政府と企業がそれぞれの特長を生かし、パートナーとして自治体
 を運営していると言えるだろう。
 そこでは、企業は単なる「官の下請け」を越えて、
 「主体的なパートナー」として「公」にコミットしている。

 今回の訪米調査では、これ以外にも企業が「公」に主体的に
 関わる姿を目の当たりにした。
 州政府から自治体権を得てゼロから街を創り、自治体経営まで
 行っている企業。
 7万人が住む巨大な「退職者村」をゼロから開発し、そこに設立
 した12の自治体と協働し、最期まで安心して暮らすことができる
 街づくりを行う企業。
 州立大学の不動産管理を行って資金を生み出し、大学の不動産学部
 を創設・経営する企業。
 ここでは詳細を報告することはできないが、いずれも民間企業
 が「公」の重要な担い手になっている事例である。

 日本でもこうした姿に学ぶべきことは多いのではないだろうか。
 もちろん、社会的・制度的な背景の異なるアメリカの事例を日本
 にそのまま適用できるわけでないことは百も承知である。
 しかし、巨額の財政赤字、過疎・高齢化、社会不安の増大、
 環境問題などを解決するためには、政治を変えるだけでなく、
 従来の「官」と「民」の関係のあり方を根本から見直すことは
 必須となるだろう。

 そのために、「官」は真に信頼できる民間のパートナーをつくり、
 「民」は狭い利益を超えて社会にコミットするスタンスに立つ必要
 がある。そこに「未来」の可能性が見えてくることを期待したい。

 アミタは、多くの人々から期待され、信頼され、
 「公」を担う存在になるべくチャレンジを続けます。

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 ★スタッフ雑記
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 上記のお知らせ欄でもご紹介しておりますが、岡山県西粟倉村で
 ヒノキ学習机の体験プログラムが開催されます。
 私も小学校入学時に両親に学習机を買ってもらいましたが、大学
 進学で実家を離れて以来、大きすぎる学習机は1人暮らしの下宿家
 には適わず、実家の自分の部屋に置いたままになっています。

 高校時代、あれほど向いあった学習机。
 年に数回帰省するたび、部屋に寂しげに静まっている姿を見ると、
 様々な思い出が湧き上がり、懐かしさと温かみが感じられます。
 まるで、1人の家族のように。

 ライフスタイルや生活圏が目まぐるしく変わる今日だからこそ、
 機能美と補修のしやすさを兼ね備えた、永く使い続けられる「物」
 を大切にしていきたいと思います。
 西粟倉に、あなたの大切な「物」を探しにいきませんか?(西原)

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 アミタ株式会社 持続可能経済研究所
 http://www.amita-net.co.jp/aise/
 持続研通信 編集スタッフ: 西原・田中・島津
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 Tel: 03-5215-8255(代表) Fax: 03-5215-3040

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