株式会社アミタ持続可能経済研究所

持続研通信 ~ 10.09.06 ~ No.20 長月号

持続研通信 ~ 10.09.06 ~ No.20 長月号


―・―目次―・―

 ●コラム:「唐の国から来たるカメの話」(主任研究員:本多清)

 ●持続研の動き(7月~8月)

 ●お知らせ:広島県三次市で「地域おこし協力隊」を募集中!

 ★スタッフ雑記

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 ●「唐の国から来たるカメの話」(主任研究員:本多清)
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 融(とおる)神社は滋賀県大津市の静かな里山地域にある神社です。
 祀られているのは、かの源氏物語の「光の君」のモデルとされる
 源融(みなもとのとおる)。ここは知る人ぞ知るホタルの名所です。
 かくいう私もホタル目当てに融神社に向けて車を走らせていたところ、
 夜道を横切ろうとしているカメの影が浮かび上がりました。
 あっと思った直後に、車は両輪の間にカメをまたいで通り過ぎていました。

 甲羅が妙に高く盛り上がったシルエットが日本のカメとは異なる
 雰囲気だったので、車を降りて確かめると、やはりそうです。
 ミナミイシガメという、中国大陸由来のカメでした。

 ミナミイシガメは、京都市周辺の限定的な地域で、かなり昔から
  生息していることが知られています。
 中国由来の移入種であることが学術的な定説となる以前に、
 京都市指定の天然記念物になっているほどです。
 遣唐使が持ち帰ったという説もあるぐらいで、もしそうであれば
  千年の都の歴史と共に静かに暮らしていたことになります。

 一方、いま各地で問題をひき起こしている外来生物は、明治以降に
 移入され、生態系や農林水産業への悪影響や、人間に危害を及ぼす
 ような生きものです。これを「侵略的外来生物」と呼びます。

 侵略的外来生物には、大きく分けて二つのタイプがあります。
 ひとつは、在来生物を食害で滅ぼしたり、生息環境を奪って駆逐する
  「被害が見えやすい侵略者」のタイプ。とくに遠く離れた大陸からの
 外来生物の場合、被害は急激かつ深刻に進みがちです。

 例えばアメリカ大陸から持ち込まれた生きものは、
 アジアの生きものたちと生態系を共有した歴史がほとんどなく、
 いわば「異星人」のようなものです。
 想定外の手法で攻撃してきたり、ありえない規模で増殖する侵入者に
 対し、在来生物は適応する間もなく壊滅してしまう場合があります。
 
 外来種のカメでも、ミシシッピーアカミミガメ(ミドリガメ)や
 カミツキガメなど、影響が問題視されているのは北米原産。
 他にもブラックバスやウシガエル、アライグマなど、
  「被害が見えやすい侵略者」の多くは新大陸の出身です。

 もうひとつのタイプの侵略的外来生物は、
 在来生物と交雑(雑種化)することで、種としての遺伝的な特性を
 失わせてしまうものです。
 これは逆に、比較的近い地域間の外来種がひき起こします。
 中国産のタイリクバラタナゴとニッポンバラタナゴの交雑などが、
 その端的な例です。これは「被害が見えにくい侵略者」といえるでしょう。

 しかし、中には移植先の生態系の中であまり軋轢を起こさずに自分の
 居場所を見つけ、比較的平和に住み着く「幸運かつ稀な例」もあります。
 京都市の周辺地域に生息するミナミイシガメは、その一例と
 いえるかもしれません。
 
 でも、移植された生物が生態系の中でどんな影響を及ぼすのかを
 事前に判断するのは非常に困難です。
 また、たとえ国内の生きものどうしであっても
  (場合によっては隣同士の河川でも)安易な移植は侵略的外来種と
 同様の問題が起こりえます。外部からの生きものを持ち込むことは、
 やはり十分慎重に考えるべきでしょう。

 光の君こと源融の時代の荘園にもいたかもしれないミナミイシガメとの
 出会いは、生物多様性の機微を示唆してくれる、長くて短い
 歴史の生き証人との邂逅(かいこう)のように思えました。

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 ●持続研の動き(7月~8月)
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 ―― 講演 ――

  「暮らしと生態系をつなぐ水産エコラベル」
    (田村典江主任研究員)
   [8/5 平成22年度 環境リスク公開セミナー第4回 於:大阪大学中之島センター]
      
 ―― 新聞・雑誌 ――

 ・「イタダキマス運動―海の惠み編―」
    (7/25 中日新聞)
     ※中日新聞による、生物多様性に感謝する取組みを紹介する紙面を
    アミタ持続研が監修

 ・「無添加志向に変化 食中毒リスク低減効果」
    (7/25 日本加工食品新聞)

 ・「「保存料無添加プレミアム」計算 
    ベネフィット情報提供で下落-アミタ持続可能経済研究所-」
  (7/29 食品化学新聞)
  
  ・「「保存料不使用」にメリットはあるか?」」
    (有路取締役、高原淳志主任研究員、大南絢一研究員、大石太郎研究員)
    『ジャパンフードサイエンス』  2010年8月号

 ・「新事業を生み出す発想を伝える「地域ビジネス起業の教科書」」
    (8/5  中日新聞)

 ・「アミタ持続可能経済研究所の取組について」
  (堀口室長:環境リスクアドバイザリー室)
  『とうきょう さんぱい 第240号』2010年8月10日発行
  [社団法人東京産業廃棄物協会]
  
 ・「廃棄物処理法Q&A 第39回
   処理業者が不法投棄、行政の監督責任は?」
  (堀口室長:環境リスクアドバイザリー室)
   『日経エコロジー』 2010年9月号 [日経BP社]

 ・「若者支援WG第1回ヒアリングを実施」
  (友廣裕一:アミタ持続研アソシエイト・フェロー)
  『オーライ!ニッポンニュース』2010年8月12日号
   ※アミタ持続研に所属しながら、地域の魅力を全国に発信する
        限界集落・過疎地 日本一周プロジェクト『ムラアカリをゆく』を
    企画する友廣アソシエイト・フェローが、若者による農山漁村での
    活動への支援について、オーライ!ニッポン会議による
    インタビューを受けました。

    インタビューの詳細はこちら↓
    http://www.ustream.tv/recorded/8393829

 ―― web ――

 ・「新たな価値を見出す「ドゥタンク」~アミタ持続可能経済研究所」」
   『ジャパン・フォー・サステナビリティ(JFS)ニュースレター(web版)』
      シリーズ:持続可能な社会を目指して-日本企業の挑戦 第89回
   [JFS(ジャパン・フォー・サステイナビリティ)]

   記事詳細はこちら↓
   http://www.japanfs.org/ja/join/newsletter/pages/029885.html

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 ●お知らせ:広島県三次市で「地域おこし協力隊」を募集中!
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 ※アミタ持続研では三次市の地域おこしに向けた施策を支援しています。
   その関係から、今回の募集についてご紹介いたします。

 現在、大都市を離れて、「地方で生活したい」「自然に囲まれた
 環境で暮らしたい」「人とのつながりを実感できる生活をしたい」
 などの想いを抱く人たちが増えています。
 また同時に、都市部に暮らす人ならではの感性を地域に生かして
 もらおうと、地域外からの人材を積極的に受入れている自治体や
 団体の活動が、全国に広まりつつあります。
 
 これらを背景として、アミタ持続研が支援をおこなっている
 広島県三次市では、総務省が推進する 「地域おこし協力隊」の制度を活用し、
 地域に協力する活動を行う人材を募集しています。地域の方と協力し、
 地域活動を積極的に行っていただける方のご応募をお待ちしています。

 詳しくはこちら↓
 http://aise.jp/coordinate/info/20100813_miyoshi.html

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 ★スタッフ雑記
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  「ツクツクボーシ、ツクツクボーシ・・・」
 そんな声が聞こえる季節になりました。

 初秋を告げる「ツクツクボウシ」。
 彼らは最後に「モウイーヨ、モウイーヨ」と言って鳴き止むのだよ、
 と祖母から教わった覚えがあります。
 だからなのか、毎年聞こえるツクツクボーシの、鳴き止む時の声は
 私にはそう聞こえます。

 夏の暑さはモウイーヨ、なのか、もう暑さに耐えなくてもイーヨなのか、
 季節の使者が今年も上手に残暑を歌っています。
 気がつけば、 「スイッチョン、スイーッチョン・・・」、
  「チンチロリン・・・」。
  「・・・ああ、おもしろい虫の声」で終わる唱歌『虫の声』に登場する
 虫達がこれから始まろうとしている秋をそこここで告げています。

 秋の使者達の声に耳を傾けて、暑さに疲れた体を休ませる。
 残暑のこの時期、そんな過ごし方もよいのではないでしょうか。  
  (小林由紀)
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   株式会社 アミタ持続可能経済研究所
   http://www.aise.jp/
   持続研通信 編集スタッフ: 渡邉薫・小林由紀
   お問い合わせ - jizokuken@aise.jp
   〒602-8024
   京都市上京区室町通丸太町上る大門町253
   Tel: 075-255-4526(代表) Fax: 075-255-4527 ――――――――――――――――――――――――――――――
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