株式会社アミタ持続可能経済研究所

持続研通信 ~ 11.04.04 ~ No.27 卯月号

持続研通信 ~ 11.04.04 ~ No.27 卯月号


―・―目次―・―

 ●「疎開のまち」
   (地域ビジネス支援室 室長 藤原明文)

 ●持続研の動き(2011年2月~2011年3月)

 ★スタッフ雑記

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 ●「疎開のまち」
   (地域ビジネス支援室 室長 藤原明文)
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 3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震におきまして、
 亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、
 被災された地域の皆様とそのご家族、またつながるすべての方々に、
 心よりお見舞い申し上げます。
 また、昼夜を問わず、現地で支援活動にあたる関係機関の皆様に
 心から敬意を表します。

 大自然の猛威は、多くの人々の生活や命を奪うだけでなく、
 営々と築き上げてきた近代の恩恵と成果をも破壊してしまいました。
 しかし、志なかばで時間がとまってしまった多くの人々の思いを
 引き継ぐように、人々は助け合い、励ましあい、生あるものの使命として、
 未来の希望を創ろうとしています。
 このような状況下だからこそ、「いま、私たちにできること。
 いま、私たちがすべきこと。」を真剣に問われている時でもあります。

 全国各地から、被災地への救援物資の提供だけでなく、
 地域にある空き校舎や公民館を避難場所として提供し、
 地震被災者および原発避難者を集団で受け入れていく動きが次々と
 でてきており、「疎開」という言葉を耳にする機会が増えてきました。

 今回は、農と林を軸にした「疎開のまちづくり」で、新たな町の
 可能性を模索している鳥取県智頭(ちづ)町の取り組みをご紹介します。

  「みどりの風が吹く"疎開"のまち智頭」をキャッチフレーズとしている
 智頭町は、鳥取県の東南に位置し、京阪神から自動車・電車でも
 約2時間という立地的にも恵まれたところで、人口8千人強、
 町の総面積の94%を山林が占めており、
  「日本ゼロ分のイチ村おこし運動」での集落活性化や、
 住民企画をダイレクトに予算化する「百人委員会」など、
 住民主役のユニークなまちづくりで知られる小さな宿場町です。

   一見マイナス要因だらけにみえる、森林しかない小さな過疎の町の
 地域資源を逆手に、戦後消えつつあった農山村の生活様式やそこに
 住む人の心に着目して、石谷家住宅や板井原集落などありのままの
 建物や自然、暮らしを次々と観光地に変えていきました。

 なかでも町の一番の地域資源である森林を"町の大切な財産"
 としてとらえ、智頭町の森そのものを"未来を拓く子供たち"の
 学び舎とした「森のようちえん」や、町の病院と連携して
 ストレスに悩む都会の人たちを受け入れ、森林散策を通して
 癒しの場を提供する「森林セラピー」、癒しを求めて訪れる人たちを、
 温かい心でおもてなしをする「ふるさと民泊」などを展開しています。

 都市部の人たちに、もっと自然に触れてもらいたい、
 仕事で疲れた心を癒せる(ストレスからエスケープできる)場を提供したい、
 地元で取れるおいしい農作物を味わっていただきたいという思いから
  "第二のふるさと"をつくるきっかけとして、万が一の災害時には
 都市部からの避難者を受け入れ、何もなければ智頭自慢の
 お米や野菜などの特産品をお届けするという自治体としては、
 はじめて「疎開保険」というサービスをリリースしたばかりでした。

 しかし残念ながら、本来起こって欲しくなかった
 今回の大震災への緊急対応として、智頭町はサービス実施を延期し、
 被災地の孤児を含めたこどもたちの集団疎開を民家や公民館で
  受け入れる予定です。
  「町をあげて、被災者を、避難者を、こどもたちを救いたい。
 みんなで助けあう疎開が見直されるのでは」と寺谷誠一郎智頭町長。

 このような小さな町から全国へ「みんなで助け合う疎開」という
 前向きな意味での新しい取り組みが広がっていくことを期待しつつ、
 いま自分にできることを、コツコツと。
 そして、明日の日本を自らの手で!

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 ●持続研の動き(2011年2月~2011年3月)
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 ―― 講演 ――

 ・「「地域外事例」×「地域内事例」を通じたこれからの地域振興」
  (千田良仁上級研究員がパネラーとして出席)
     [3/10 地域資源活用セミナー 於:HOTEL KOSHO]

 ―― 新聞・雑誌 ――

 ・「3月4日に山村再生セミナー アミタ持続可能研」
  (林業新聞 2/23)

  ・「フード・アクション・ニッポン推進パートナーの活動事例
   食べよう。生きものと育む国産の恵み。」
   『日経ビジネス』2011.3.7号 [日経BP社]
    ※フード・アクション・ニッポン推進パートナーの活動事例として
        アミタ持続研が支援する、たかしま有機農法研究会の多様な生態系に
        配慮した農法から生まれた「たかしま生きもの田んぼ米」について紹介。

  ・「フード・アクション・ニッポン推進パートナーの活動事例
  食べよう。生きものと育む国産の恵み。」
   『日経エコロジー』4月号[日経BP社]
    ※内容同上
 
  ・「共感呼ぶ物語性必要
   アミタ持続可能経済研 生物共生農業セミナー」
   (商経アドバイス 3/7)

 ・「先進機械の可能性探る 林業機械化シンポ
   実施事業体が報告 最新情報を共有 林業のブレークスルーに」
   (農経しんぽう 3/7)

  ・「「安全性」で説得迫るより「有効性」で納得へ
   これぞリスクコミュニケーションの極意」
  『食品工業』3月20日発売号[光琳社]

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 ★スタッフ雑記
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 山笑う4月です。

 冬の間静かに眠っていた木々達が、春の訪れと共に
 少しづつ目を覚まし、新芽をつけ始め、
 山全体が暖かな生命力に包まれる時。

 一体誰が表現したのか、
 春独特の幸福感と充実感、そして新しい命の勢いを
 ふわりと伝えてくれる春の季語、「山笑う」

 どんな冬にも必ず春が待っていることを伝えてくれる山に、
 麓からも笑顔を返せるような、そんな春の始まりが
 この世界のどの場所にも訪れていると良いなと感じます。
 (小林由紀)
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   持続研通信 編集スタッフ : 小林由紀・久米悦子
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