株式会社アミタ持続可能経済研究所

持続研通信  ~ 11.07.04 ~  No.30 文月号

持続研通信 ~ 11.07.04 ~ No.30 文月号

―・―目次―・―
 
 ●冒頭メッセージ:「Doタンクへの原点回帰を目指して」

 ●コラム:「里山のジャイアンツ~「現場主義のDoタンク」として歩む道~」
            (本多 清:主任研究員)

 ●持続研の動き(2011年6月~2011年7月)

 ●お知らせ:田舎で働きたい人募集!

 ★スタッフ雑記

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 ●Doタンクへの原点回帰を目指して
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 平素より多大なご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
 持続可能経済研究所は、実践的シンクタンクとして「Doタンク」
 というコンセプトの実現を目指して2005年に設立されました。
 その間、アミタグループは株式公開を果たし基盤整備が進むと共に、
 功利主義的な判断が取巻く環境に影響を受け、
 脱近代を目指す持続可能な経済を思考するより、
 従来型の調査・研究・コンサルタント業務というシンクタンク思考に
 重きを置くようになり、持続可能社会の構築という目標が遠のいて
 しまいました。
 本年3月11日14時46分に発生した東日本大震災は、未曾有の被害を発生させ、
  科学の粋を結集させた原子力発電所も破壊し、近代という文明を
 崩壊させました。
 同時に合理的で効率的な近代は、人間が想定できなかった自然の
 脅威の前に脆さを露呈しました。
 今、持続可能経済研究所は設立の原点に立ち帰り、
 東京・京都に拠点を置きつつも、震災の現場に研究所機能を集中し、
 文字通り実践的シンクタンクとして自然をコントロールするのではなく、
 自然と共生する自然産業の構築を目指す現場主義的実践型研究所として
 原点回帰をいたします。今後とも変わらぬご支援を宜しくお願い申し上げます。

 「持続可能経済研究所は現場を目指します」

  2011年7月1日

 アミタホールディングス株式会社
 代表取締役会長兼社長
 熊野英介

 株式会社アミタ持続可能経済研究所
 代表取締役社長
 唐鎌真一
 
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 ●里山のジャイアンツ ~「現場主義のDoタンク」として歩む道~
    (本多 清:主任研究員)
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 「出た~、ついに、やっと出てきたよ!」
 興奮と安堵が入り混じった声が受話器から伝わってきました。
 電話の主は、とある中山間地域の里山で稲作を営む農家さんです。

 出た、というのは巨万の富をもたらす原油の噴出、ではもちろん
 ありません。温泉が湧き出したというわけでもありません。
 待ちに待っていたのは、有機栽培の稲作用に種をまいた苗箱からの、
 小さくて頼りなげな発芽にすぎませんでした。
 しかし、このときをまさに「命がけで待っていた」のです。

 地球環境を守るべく、CO2排出量を大幅に削減する次世代型
 産業の研究施設が、この里山地域で開発される予定です。
 一方で、その造成工事による影響を受けざるをえない現地の
 貴重な生物多様性を代償したり、工事前よりも発展的に拡大する
 必要があります。そのため、より豊かな里山環境と、多くの
 生きものを育む新たな農法の実践をアミタ持続研が支援しています。

 完全無農薬・無化学肥料の稲作技術を達成するための試行錯誤を
 昨年から行ってきましたが、平野部ではほぼ確立された有機稲作
 の技術も、海抜400mを超える現地では課題が山積していました。

 高冷地のため、種籾を発芽させる4月下旬に、朝夕の気温が厳しく
 冷え込みます。通常は種をまいた後に電熱利用の育苗器を用いて
 発芽させますが、有機栽培の苗は電熱加温が障害を招く場合が
 あるのです。

 また、農薬を使用しない稲作では、病害虫や雑草に負けない丈夫な
 苗を、田植え機用の苗箱の限られたスペースの中で育てる必要が
 あります。苗箱の中にまく種籾の量が少ないほど健康な苗を大きく
 育てることが可能ですが、その反面、田植え機で苗を移植する際に
 苗が植わらない「欠株」が発生しやすく、作業効率が極端に
 悪化することもあります。

 相反する様々な条件での苗づくりを、高冷地の過酷な環境制約の中で
 達成しなければなりません。田植えまでのタイムリミットは6月上旬。
 それを過ぎると稲の収穫量に悪影響が出てしまうのです。

 ほとんど前例のない条件を達成するために、種まき前の籾の
 温度管理や、床土に混合する肥料の成分などを工夫し、この方法
 ならきっと成功する、と思われる新たな苗づくりに挑戦してみました。
 しかし、種籾をまいてから10日が過ぎた5月上旬になっても、
 肝心の芽はほとんど出てきません。

 「電熱器を使わないで苗を育てるなんて無茶だよ」
 「これじゃあ田植えは7月になっちまうぞ」

 あまりにも遅い発芽に、現場の作業を担当する農家の方々からも
 心配する声が聞かれます。遅れているだけならまだしも、
 もし何かの理由で種籾が枯死して全滅してしまっていたら...
 そんな不安も脳裏をよぎり、夜も眠れない日々が続きました。

 そんな中、現地から届いたのが冒頭の農家さんからの連絡です。
 それからの苗の生長ぶりには目を見張るものがありました。
 健康で丈夫な苗がみるみるうちに大きく育ち、6月上旬には
 立派な苗での田植え日を迎えることができたのです。

 「茎が太いし、根も十分に張っている。葉の色もいいね」
 「無茶な方法だと思ったが、いい苗に育ったもんだ。驚いた」
 「心配した欠株もほとんどないね。去年の苗とは全然違うぞ」

 現場を担う農家の皆さんからも、嬉しい言葉を口々にかけて
 もらえます。夏鳥のさえずりと共に、明るい笑い声が谷間の
 田んぼに響くのを聞きつつ、やりがいのある仕事をさせて
 いただいている幸せを感じました。

 科学を探求し、現地の声を聴き、様々な現場での経験をもとに
 再生可能な「自然産業」の新たな道を開拓する。
 それが「現場主義のDoタンク」たるアミタ持続研が目指す仕事です。
 これからも「現場の笑顔」をかけがえのない宝としながら、
 持続可能な循環型社会の達成を目指して、地域と共に、
 ひとつひとつの道のりを歩んでいく所存です。
 
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 ●持続研の動き(2011年6月~2011年7月)
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 ―― 学会発表 ――

 ・「消費者の商品購入メカニズムに関する一考察」
   (大石太郎研究員)
   ※大石卓史氏、大南絢一氏との共同発表
   [6/11 2011年度 日本消費者教育学会 関西支部大会 於:大阪教育大学]

 ・「生物多様性に配慮した農業に対する消費者選好-CVMによる分析-」
   (大石太郎研究員)
   ※大石卓史氏、大南絢一氏との共同発表
   [6/19 2011年度 日本フードシステム学会 於:京都大学]  

 ・「サケ加工品の国際比較優位構造
      -非バランスパネルデータ分析によるアプローチ-」
   (大石太郎研究員)
    ※多田稔氏(近畿大学)との共同発表
   [6/19 2011年度 日本フードシステム学会 於:京都大学]

 ―― 新聞・雑誌 ――

 ・「林野事業 先進林業機械化の成果 アミタ持続研」 
   (農経しんぽう 6/6)

 ・「先進林業機械化事業のDVD配布 アミタ持続可能経済研究所」
   (林経新聞 6/27)
 
     ※アミタ持続研による「先進林業機械の導入・改良事業DVD」の
     無料頒布開始に関する記事

 ・「廃棄物処理法のあるべき姿を考える(5)
      マニフェストの使い勝手と効果を考える」(環境新聞 6/8)

     ※堀口主席コンサルタント:環境ソリューション室による解説を掲載

 ・廃棄物管理で検定制度 アミタ持続可能経済研究所 企業実務者の能力向上
  (6/28 日刊工業新聞)

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  ●お知らせ
  :田舎で働きたい人募集!
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 この度、アミタ持続研では、地域と連携した人材交流事業
 (滞在型研修)の実施を予定しています。

  この研修は、一定期間(6ヶ月を想定)を地方で生活し、その場所
 ならではの人・自然・暮らし・仕事などを実際に体感することで
 移住・定住や地域での起業へのきっかけづくりをしていただくものです。

 自分自身と地域の未来を切り拓くチャレンジをしてみませんか?
 田舎で働く意欲のある方、我こそは!という方からのご応募を
 お待ちしております。

 興味のあるお知り合いの方々へも是非お知らせ下さい!

 ■研修概要

 【研修期間】
  ・2011年8月~2012年1月下旬の6ヶ月間

 【研修地域】
  京都府京丹後市、鳥取県智頭町・南部町、滋賀県甲賀市、
  兵庫県豊岡市・養父市、香川県さぬき市

 【研修中の待遇】
  ・活動費として14万円程度/月をお支払いします。
  ・交通費、宿泊費、食費などは自己負担となります。
  ・研修中は弊社にて傷害保険に加入します。

  ※研修についての詳細および応募方法はこちら↓
   http://www.aise.jp/coordinate/syokutochiiki/
  
   ご応募の際は上記URL内の応募フォームに必要事項をご記入のうえ、
   メールで送信してください。応募用紙をお送り頂いた方には、
   担当よりご連絡差し上げます。
  
  ※アミタ持続研のオフィス(東京/京都)では、研修について
   説明会も実施しています。ぜひご参加下さい!詳細はこちら↓
   http://aise.jp/coordinate/syokutochiiki/setsumeikai.html

  ■お問い合わせ
   株式会社アミタ持続可能経済研究所
   地域ビジネス支援室(田舎で働きたい人・募集担当まで)
   TEL:03-5215-8266
   FAX:03-5215-8505
   Mail:inaka@aiselink.com

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 ★スタッフ雑記
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 「コンチキチン」とどこからともなくお囃子の音が聞こえてきます。
 京都の夏の風物詩、祇園祭の季節がやってきました。
 背の高い鉾が空を貫きます。

 クライマックスの山鉾巡行では、直進しかできない山鉾を回転
  させるため、路面に青竹を敷き、水をかけ滑らせて交差点を
  曲がっていきます。

 「ギシギシッ!」と鉾の軋む音があたりにこだましました。
  1000年もの昔から変わらず続く祇園祭と京都の歴史を、
  ふと感じる瞬間です。
  (久米)
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   株式会社 アミタ持続可能経済研究所
   http://www.aise.jp/
   持続研通信 編集スタッフ : 久米悦子・山本順一郎
   お問い合わせ - jizokuken@aise.jp
   〒602-8024
   京都市上京区室町通丸太町上る大門町253
   Tel: 075-255-4526(代表) Fax: 075-255-4527 ――――――――――――――――――――――――――――――
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