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持続研通信 No.76 紫陽花号



宮城県加美町より
鳴瀬川渓流


じわじわと暑くなってきました。
新年度も早2か月が経過し、今年もそろそろ折り返しですね。
中弛みしそうなところですが夏本番に向け一気呵成、どのプロジェクトも進行させて参ります。
さて持続研通信・紫陽花号では、宮城県加美町のバイオマス産業都市構想の実現に向けた取組の中から薬草事業の進捗情報と液肥実証業務、南三陸からは有志発足による未来塾についてお届けします。
どうぞご一読ください。

【加美町】薬草プロジェクト始動、トウキ事業これまでの成果


たびたび紹介しています当帰(トウキ)ですが、今年は宮城県加美町でも試験栽培がはじまりました。
加美町のシンボルは加美富士と呼ばれる薬來(やくらい)山で、大昔疫病が流行した時に山頂に薬師如来を祀ったことが語源とされています。
「薬」が「来る」という名の通り、薬草トウキが加美町で浸透していくことは町の新たな価値を生み出すことに繋がり、格別の意味を持ちます。
現在、本格的な栽培ができるよう葉を使った加工品作りや、根の有効利用を試行しています。少しですがご紹介します。
まだまだ水面下で動いているプロジェクトもありますが、時が来ればいずれお披露目いたします。


トウキジェラート
販売元: やくらい土産センター


トウキ風呂
提供元: やくらい 薬師の湯
トウキについて //www.aise.jp/case/work/angelica.html


【加美町】H.29年度メタン発酵消化液(液肥)散布実証業務がスタート


バイオガス事業の実現に向け、本年度も「メタン発酵消化液(液肥)散布普及・実証試験業務」を加美町にて実施します。
実証作物は食用米(ひとめぼれ、金のいぶき)、大根、白菜、玉ねぎ、キャベツと種類を拡大し、4月~9月の定植時期に液肥散布を行います。
4月19日~22日にかけて、ひとめぼれと金のいぶきの圃場に液肥散布を行いました。
散布日当日は町役場や農家の方々以外に、地元小学校からも見学者が来られ、資源循環の行いに非常に興味を持って頂けました。
本年度もメタン発酵消化液は良質な有機質肥料として農地利用できること、液肥の利用は地域内で資源が循環する取組となることを町民の皆様にアピールしていきたいと思います。
//www.aise.jp/news/releace/160414_kami_biomass.html?hd/?aise170605


【加美町】小学校にて「みんなのいのちがめぐる循環授業」を実施


加美町立鳴瀬小学校6年生の総合学習で「エネルギー」をテーマとした出前授業を4月28日(金)に実施しました。
バイオガス事業の理解を深めてもらうため、メタン発酵で生ごみからエネルギーや肥料を作ることができるということを伝えました。
子ども達にとっても資源循環の大切さを学ぶ良い経験となり、大変興味を持って授業に参加してくれました。
5月30日(火)には東北大学の多田千佳先生に協力して頂き、ペットボトルを使って実際に生ごみからバイオガスを作る実験授業を行いました。
バイオガスを使った授業は、楽しくそして分かり易く資源循環の重要性について理解できるプログラムです。
今後は各地でも開催を企画していきます。
//www.aise.jp/news/releace/170425_biogas_lecture.html?hd/?aise170605


【南三陸】南三陸創風会2030が発足


住民有志を中心に、、循環型社会の実現を目指すグループ「南三陸創風会2030」が発足しました。
環境に配慮した1次産業の生産者やまちづくりに関わる方々が参加し、月1回様々なディスカッションを通して、南三陸で民間主導による新しいプロジェクトの立ち上げを目指します。

 アミタグループからのお知らせ


会長・熊野のそっ啄同時 
連載第3回は、「生命の尊厳を守る」という価値観とその本質について考えてみたいと思います。
▼第3回「生命の尊厳」
▼宮城県南三陸町で、新庁舎「南三陸町歌津総合支所」におけるFSCプロジェクト認証審査を実施
▼2017年4月20日からバイオガス施設「南三陸BIO」の一般視察受付を開始


 スタッフ雑記「 鮎の味と川 」


6月に入りました。
田んぼに水が入り、カエルの合唱が聞こえてくる季節ですね。
この時期、川では鮎が遡上し始める頃でもあり川好き釣り好きの方々はソワソワしていることかと思います。
秋に河川で孵化した鮎の仔魚は数日で河口域・沿岸までくだり、越冬しながら春の遡上に備えます。プランクトンなどを食べながら遊泳力をつけた稚魚は、春になるとしっかりとした泳ぎで河川を遡上し、河床の苔をはみながら夏の間にぐんぐん大きく成長します。
さて、香魚とも呼ばれるキュウリウオ科の鮎。
皆さんは鮎を食べ比べたことはあるでしょうか。
利き酒、利き茶など世の中には多くの利き○○がありますが何と利き鮎なるものも存在します。
私は京都のとある川づくりイベントで様々な産地の鮎を食べ比べたことがあります。
また、全国各地の鮎を食べ比べて川の環境を考える「利き鮎会」もあるようです。
鮎はその生活史から、「河川環境そのものが鮎の味となる」とも考えられています。個人の好みにもよると思いますが良い川で育った鮎は、香り高く身が締まっているとも言われるそうです。
まるで日本酒やワインのように、その年その場所の環境によって味が変わってくるのかも知れませんね。
炭火焼き、一夜干し、そしてウルカなどを食し「この香りと締まり具合、もしかして馬瀬川産の鮎ですか?」などと言える方もいらっしゃるかもしれません。
昨年は宮城県加美町産のしっかりと肩がはった鮎の塩焼きを頂きあまりに美味しかったので鮎の塩辛まで購入し地酒と共に食しました。
ちなみに鮎をわけて頂いた工房には 『 鮎も 町民 』という何とも素敵な言葉が掲げてあります。
鮎自慢は川自慢、そして川自慢は流域の環境自慢にもつながるのではないでしょうか。
我が持続研でも、きれいな川がそのまま凝縮されたような美味しい鮎がたくさんとれる環境づくり(とその恩恵の享受)を目指して参りたいと思っております。

(スタッフ:纐纈)