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持続研通信 No.79 寒木瓜号


<竹田の久住連山>




【国東市】資源循環を学ぶ「循環教育プログラム」を実施


国東市立国東小学校で、4年生の総合学習「1/2成人式、命について見つめよう」の一環として、手作りバイオガス装置を使った「循環教育プログラム」を実施しました。
このプログラムは、くにさきエコシステム株式会社の共催、国東市教育委員会、国東市地球温暖化防止協議会、特定非営利活動法人国東市手と手とまちづくりたいの後援を受け、児童の保護者や環境意識の高い方々、メディアにも参加いただく一大イベントとなり、児童も大人も地域の環境保全や資源循環活動について理解を深める授業となりました。
授業は、メタン発酵装置を作りメタン菌や発酵について学ぶ過程と、バイオガスを実際にガスや電気のエネルギーとして使い、また消化液は有効な肥料となることを体験を通して学ぶ2つの過程に分けて実施しました。
児童がこのプログラムを通して学んだことは、発表会にて「メタン菌くんがつなぐ循環」という題で全校児童、保護者の皆様、地域住民の方々に向けて発表を致します。
このような体験型プログラムを通じて、発酵という古くからあるバイオテクノロジーを使うことで、これまでエネルギーを消費いて焼却していた生ごみを、エネルギーや肥料を生み出す資源にできること、そして学校という小さな場所でも資源循環の取組みができることを学べます。
命がめぐっていくことを記憶に留め、10年後、児童たちが成人式を迎え大人になった時も、環境保全や資源循環が活発な国東地域を担ってくれることを期待します。




【竹田市】竹田市分散型エネルギーインフラプロジェクト・マスタープラン策定事業が採択


アミタ持続研は、(一社)日本有機資源協会(以下、JORA)と(株)森のエネルギー研究所(以下、森エネ)と共同申請者として、大分県竹田市から「H29竹田市分散型エネルギーインフラプロジェクト・マスタープラン策定事業に係る調査及び報告書作成支援業務」の事業実施者に9月29日付けで選定されました。
本業務は、JORAとアミタ持続研、森エネの3社による共同提案者が受託しており、同市にてバイオガス関連基礎調査と実現可能性調査、実証試験実施支援などの業務を実施します。
その中でアミタ持続研はバイオガス発電事業の導入可能性を精査し、導入実現に向けてのマスタープラン策定を支援します。
なお、事業実施期間は平成29年10月6日より平成30年2月20日までです。
本業務では、畜産ふん尿を利活用するとともに、あらゆるバイオマス資源を活用した包括的なエネルギー・資源の循環を目指します。

詳細はこちら

対象バイオマスの領域を広げることで事業収支および波及効果の拡充が期待でき、ひいては竹田市全体の産業振興、コミュニティ形成、およびまちづくりへの発展が期待できます。


【パラオ】JICA案件化調査業務がスタート


パラオ国において実現の提案を行った包括的資源循環システム。
本業務ではバイオガス事業運用に係る調査を行い、インプット原料確定とプラントの詳細設計、事業システムを確立を目指しています。
11月の初回調査では主にシステム作りの基盤となるインプット原料の特定と、アウトプットの出口調査/運用準備を実施しました。
インプット原料となる有機系廃棄物は、ガス発生量を考慮すると生ごみ回収が理想的であります。
しかしパラオでは調査の結果、養豚農家がホテルやレストランの残飯を回収し、畜産飼料として利用する循環システムが既に確立されていました。
このため排出元となるホテル/レストランではごみの分別(特に生ごみ)が徹底されています。
よって養豚業の抱える残渣・糞尿処理の課題も含めて、WIN-WINの構想を描き実現できるか、これが事業実施の肝となってきます。



12月調査ではインプット原料の見込設定を終え、プラントの設計具体化に移行していく計画です。
また、タロイモ、キャッサバ、パクチョイ、レタスの液肥実証栽培も開始しました。
現地の作物生育と土質にメタン発酵液肥が効果的か確認し、結果を農業局を通じて小規模農家に知ってもらうことが目的です。
試験結果を見るのは半年先になりますが、今から結果が楽しみです。
現地調査は2018年6月までに1~2か月に1回の頻度で実施します。この紙面上で随時進捗内容を報告させて頂きます。


 アミタグループからのお知らせ


< 会長熊野のそっ啄同時 連載第6回 「第二の公」-持続可能社会の運営システム- >
< 12月10日持続可能な未来創造を考える 【地球未来シンポジウム2017「希望の探求」】を共同開催します >
< 宮城県南三陸町で委託栽培している薬草「当帰」、福島県栗医科大学会津医療センターの漢方内科での取扱を本格化 >
< SDGsアンケート特別公開!|企業の活用テーマと課題は? >
アミタは、今年6月に「なぜ今SDGsに取り組まなければならないのか?」というセミナーを実施しました。参加者約70名からいただいたアンケート結果をこの度公開いたします。
アミタグループ採用情報のお知らせ
< 中途採用 >
< その他の採用 >


 代表雑記「本年度のご挨拶 」


年の瀬(師走)となりました。
師走の語源は、「師匠の僧がお経をあげるために、東西を馳せる月」、即ち、「師馳す(しはす)」と解釈する説があるそうですね。
年末の御挨拶には少し早いですが…、今年一年、「持続研通信」にお付き合いいただき、また、当社グループの活動にご支援とご協力をいただき、誠にありがとうございました。
2018年3月期には、上場企業の4社に1社が最高益になるとの予想が出ています。
本来これは、喜ばしいことなのだと思います。
しかしながら、実感として、安心と希望に満ちた将来(※自分の将来ではありません!子や孫やその先の世代の将来です!)を思い描ける人が、どれだけいるでしょうか。
持続可能で豊かな地域・社会を、絵に描いた餅ではなく「なるほど、これか!」という実例を創りたい・・・。
その思いで、今年も様々な活動を行いました。
宮城県南三陸町での全てのごみを分別・資源化する実証事業、
宮城県加美町でのメタン発酵液肥の利用実証および生ごみの分別実証、
JICA委託によるパラオ共和国でのバイオガス事業に関する調査事業、
南三陸産の薬草トウキを会津医療センターに医療用として供用開始、
大分県国東市での手作りバイオガス装置をつかった小学校での循環教育プログラムの実施、
などなど、それぞれの地域を熱く想う関係者と、新たなチャレンジを協働させていただきました。
こういった活動の中で、「既定路線ではない”誇れる代替路線”」を求める時代の風が、確実に強くなっていることを感じます。
まだまだ力不足で、歯がゆく、また、ご迷惑をお掛けすることも多々ございますが、持続可能で豊かな地域・社会づくりを目指す皆さまと共に、引き続き邁進していきたいと思っておりますので、今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

(代表取締役:角新支朗)