(株)アミタ持続可能経済研究所が石川県加賀市の『平成26年度生物多様性の向上を図る環境保全型農業の普及・定着による農業就業者処遇改善業務』を受託。

リリース

アミタホールディングス(株)の事業会社である(株)アミタ持続可能経済研究所(以下アミタ持続研)は、石川県加賀市の委託事業「平成26年度生物多様性の向上を図る環境保全型農業の普及・定着による農業就業者処遇改善業務」(以下本事業)を受託し、同市にて環境保全型農業の検討、農地・農法と生物生息環境に関する基礎調査・技術指導等の業務を実施します。受託金額は約600万円で、履行期間は平成27年(2015年)3月末までです。

本事業の概要とアミタ持続研の実施業務


(写真:トモエガモ)

加賀市の自然環境は、絶滅危惧種であるトモエガモ(環境省RDB絶滅危惧Ⅱ類)をはじめとした、希少な生物の生息域です。国内有数のガンカモ類の越冬地であり、地域の一部は、国際的にも重要な渡り鳥の生息地としてラムサール条約の条約湿地に登録 されています。(写真はトモエガモ)

現在、加賀市内のトモエガモのねぐらと餌場の保全を図る取り組みは限定的で、継続できる担保がない状態で、より広範な地域での取り組みの把握と持続可能性確保が課題です。また、現状の慣行農法ではEU諸国で使用規制が進むネオニコチノイド系農薬、フィプロニルがJA推奨農薬に含まれ、農薬使用に関する代替方針を構築することが急務です。

アミタ持続研が実施する本事業は、加賀市での環境保全型農業の栽培技術指導、新たなブランド米の総合的なプロデュース、制度設計、ならびに推進体制の構築を図り、トモエガモの採食地として重要な柴山潟及び周辺水田を2018年度までに新たな条約湿地の追加登録を目標とし、各取り組みの試行と、効果検証を行うものです。

環境保全型農業の検討と技術指導育苗・抑草技術指導、坂網猟との連携方策の検討
農地・農法と生物生息環境に関する基礎調査生きもの調査の実施、代替農薬の検討
栽培技術資料作成および活動情報の発信支援無農薬・減農薬の水稲栽培技術の資料作成、活動状況撮影
人材育成および販路開拓の検討支援生産者の交流と生産体制の構築に向けた検討、
JAおよび流通業者等との販路開拓に向けた検討支援
加賀市環境保全型農業の設計第三者認証制度の検討ならびに設計支援

アミタグループの提供サービス

アミタグループは、35年以上にわたり産業廃棄物の100%リサイクルサービスを提供しています(自社製造所のリサイクル資源生産量:2012年度実績で約14万t)。また1,000社を超える企業に廃棄物管理実務におけるコンプライアンス対策、リスク低減施策、社員教育といったコンサルティングサービスを提供している他、IT化による環境業務の効率化支援、森林や水産加工品に関する環境認証審査、地域活性化支援等、環境に関する幅広いサービスを提供しています。 【アミタホールディングス(株):資本金474,920,000円(東証JASDAQ市場上場:2195)】

参考情報

アミタ持続可能経済研究所の類似プロジェクト実績「たかしま生きもの田んぼ」


「ひとつひとつの田んぼがかけがえのない生命のゆりかご」という視点から、滋賀県高島市で展開されている本プロジェクトでは個々の農家がそれぞれ耕作する田んぼで生きもの調査を行い、自身が見つけた生きものたちを「自慢の生きもの」として3種以上申請することが義務付けられています。そして、その自慢の生きものたちを豊かに育むための様々な取り組みが展開されています。もちろん、価格に見合った「おいしさ」という品質を確保する取り組みも行われています。

このようにして育まれた「たかしま生きもの田んぼ米」は大手デパートの高島屋や首都圏のこだわり米穀店、そして多くのネットユーザー等から幅広い支持を得ています。その活動の中心は大規模経営の担い手専業農家であり、かつ20代~30代の若者農家たちです。(写真は「たかしま生きもの田んぼ」の様子)

期間:2005年~(継続中)
発注者・パートナー:たかしま有機農法研究会、総務省、農林水産省、高島市等

ラムサール条約とは

ラムサール条約は1971年2月2日にイランのラムサールという都市で採択された、湿地に関する条約(Convention on Wetlands)です。この条約は開催地にちなみ、一般に「ラムサール条約」と呼ばれています。同条約は第10条の規定により、7ヶ国が締約国になってから4ヶ月後の1975年12月21日に発効しました。2013年10月現在、締約国168ヶ国、条約湿地数は2,165湿地です。(出所:環境省 ラムサール条約と条約湿地 )

ネオニコチノイド(Neonicotinoid)系農薬(通称"ネオニコ")とは

浸透性神経毒のニトログアニジン系、ニトロメチレン系、ピリヂルメチルアミン系の殺虫剤(合計7種類)の総称です。また分子構造の類似性から、正式にはネオニコチノイド系に含まれないフェニルピラゾール系の殺虫剤(フィプロニルなど)も「広義のネオニコ系農薬」に含められています。昆虫に選択的に毒性を発揮し、人など哺乳類には低濃度で単独使用した場合には比較的毒性が低いとされています。ただし、有機リン系農薬など他の農薬類と併用した場合には毒性が増強され、頭痛や湿疹、ADHD(注意欠陥多動性症候群)に似た症状などが発生する場合があるとも言われています 。

EUで農薬の審査を行う機関である欧州食品安全機関(EFSA)が、2013年1月に、3種類のネオニコチノイド系農薬(イミダクロプリド、クロチアニジン及びチアメトキサム)について、蜜蜂への影響に関する評価結果を公表しました。EFSAは、これらの農薬を種子処理や土壌処理(注)に使用すると、その結果として蜜蜂に被害が出る可能性があると述べており、 2013年5月25日に欧州委員会は同年12月1日から2年間、ネオニコチノイド3農薬の使用禁止を正式に通知しました。 また、EU最大(世界第2位)の農産物輸出額大国であるオランダでは2014年3月に国会がすべてのネオニコチノイド系農薬(フィプロニルを含む)を暫定的に全面禁止する議案を可決し、今後の動向が注目されています。

【お問い合わせ】
アミタホールディングス株式会社 コミュニケーション戦略グループ 共感資本チーム 担当:蝦名・藤本
電話:075-277-0795(直通)  /  メール: press@amita-net.co.jp
ファックス: 075-255-4527   / URL: http://www.amita-hd.co.jp/