持続研通信 No.57 桜号
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みなさま
こんにちは。
持続研通信編集部の本多です。
春本番を迎え、各地の稲作農家も種籾の準備や田起こしなどを本格的に始めています。
南三陸でのササニシキやトウキの栽培も3年目を迎えようとしています。
今号は現地からのレポートを中心にご紹介させていただきますので是非ご一読下さい。
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持続研通信 No.57 桜号
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2014/4/7
株式会社アミタ持続可能経済研究所
-・-・-・- 目 次 -・-・-・-
■ 採用情報
南三陸オフィスで契約社員募集中
アミタグループで中途採用の募集を開始
■ お知らせ
アミタグループ会長・熊野の啐啄同時
震災から3年 ~南三陸オフィスから
薬草トウキ、今年も育てます
アミタグループ年次報告書「アミタの価値のつくりかた」ができました
■ スタッフ雑記
「オシドリ夫婦の不倫事情」
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◆南三陸オフィスで契約社員募集中
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地域の未活用資源を利活用し、豊かな自然と文化に基づく人間関係の構築を目指す事業開発として、南三陸オフィスの資源循環プロジェクトがいよいよ本格始動します。
地域社会に疲弊をもたらす産業構造から脱却し、豊かな自然や未利用資源を活かした産業を育てることが私たち持続研の使命です。「自然産業の世紀」を創ってくれる若い力を募集します。
http://www.amita-hd.co.jp/recruit/other.html#project
◆アミタグループで中途採用の募集を開始
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京都、東京、北九州でも中途採用の募集を始めました。アミタグループに合流(入社)希望の方はぜひご覧ください。
・正社員
・契約社員
◆アミタグループ会長・熊野の啐啄同時
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「承る:近代社会の本当の主役」
東日本大震災から3年が経ち、我々は何を学んだのでしょうか…アミタグループ会長・熊野のメッセージを隔月で掲載しています。
http://www.amita-hd.co.jp/vision/message/?aise201404
◆震災から3年 ~南三陸オフィスから
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先日の3月11日で東日本大震災から3年が経ちました。
2011年3月11日午後2時46分に発生した東北地方太平洋沖地震、その後に発生した大津波により、たくさんの尊い命が奪い去られました。
南三陸町の被害状況は、建物被害が全町で3,311戸(り災率約62%)、流失等甚大な被害を受けた公共施設は64施設、地震当日から発生した停電は町内全域で復旧されるまでにおよそ2ヶ月かかり、ライフラインは長期間寸断されました。
あの日から3年。
がれきは宮城県の処理率99%とほぼ片付きました。しかし、地盤沈下した土地のかさ上げや高台移転などの生活の部分と、産業振興や観光など地域のベースとなる経済的な部分の復興はまだまだこれからといったところです。
無念にも、生きたくても叶わなくなった方々がいらっしゃる中で、命ある私たちが未来に何を残すのか、未来の人たちに恥じないような真摯な姿が問われると感じています。
2014年3月
震災から3年を迎えた南三陸町にて
(櫛田 豊久)
◆薬草トウキ、今年も育てます
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アミタ持続研と千葉大学との共同研究によって培ってきた薬草・トウキの露地栽培は、2012年春に宮城県南三陸町で挑戦がはじまり今年で3年目を迎えることとなりました。
2012年、2013年と連続してトウキの収穫量と品質がとても良かったため、2014年は作付け面積を増加する方向で進めております。
栽培の手際や加工効率も毎年改善されており視察希望者の案内にも慣れて参りました。
また今年は試験的に、京都市右京区の京北でもトウキの露地栽培を実施する予定です。
桂川の源流である京北でもトウキを元気に育てられるよう頑張って参ります。
国産の安全なトウキ。
根の部分は入浴剤などに、葉の部分は乾燥パウダーとして食品に利用して頂いております。
どちらも原料は業務用のみの販売となっておりますが、今後とも持続研が手掛けるトウキをどうぞよろしくお願い致します。
南三陸産のトウキが使用されている商品はこちら
//www.aise.jp/product/touki.html
◆アミタグループ年次報告書
「アミタの価値のつくりかた」ができました
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アミタグループの2013年度年次報告書が完成いたしました。アミタグループがどのような
価値を求め、どのような思いを胸に事業を行っているか、中長期的な視点で事業活動をまとめております。是非ご覧ください。
・電子版はCSRJAPANサイトをご覧ください
http://bit.ly/1pIPXLB
・PDF版をご希望の方は以下よりご覧ください
http://amita-hd.co.jp/ir/houkokusyo.html
◆スタッフ雑記「オシドリ夫婦の不倫事情」
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冬の田んぼに水を張る「冬期湛水」や、田植えの一ヶ月以上前から水を張る「早期湛水」は、水田で餌をとる水鳥など様々な生きものへの配慮や、農薬を削減する目的から各地で行われています。
山間部の水田で冬期湛水や早期湛水をするとオシドリがやってきます。カモの仲間なのですが、樹洞に巣を構えたりドングリが大好物など、森で暮らす鳥の生態をもっています。
オシドリと言えば夫婦仲の良い例えとしてもよく知られていますが、実際のオシドリの番(つがい)は毎年入れ替わることがよく知られています。
それどころか、雄のオシドリはヒナが生まれても子育てにすら参加しません。
一方、生まれたヒナの遺伝子を調べてみるとじつはカップル雄以外の遺伝子をもつヒナがかなりの確率で混ざっているそうです。メスはメスでしたたかな繁殖戦略をもっている、というのがオシドリ夫婦の実態のようです。
自然資本を基に地域産業の振興を目指すうえで大切なのは、例えば「オシドリ夫婦=鴛鴦(えんおう)の契り」のような固定概念にはあまり縛られないことです。
薬草のトウキといえば根の部分が生薬として有名ですが、じつは葉や茎にも同じ有効成分が豊富に含まれているのにかかわらず利用されていなかったり「病弱で栽培が難しい品種」とされてきたササニシキが、昔ながらの有機農法では逆にとてもたくましく育ったりと、固定概念から少し視点を変えてみることで新しい可能性が広がってくるものです。
命の力が大きく動き出す春、今年も持続研は固定概念に捉われない新たな挑戦を展開していく所存です。
(本多 清)