アミタ(株)がNECソリューションイノベータ(株)等と2018年共同実施した宮城県南三陸町における「ICTを活用した生ごみ分別の参加状況可視化実験」の検証が完了。分別品質の向上に対して有効な結果が示されました!

お知らせ

アミタ株式会社が、2018年にNECソリューションイノベータ株式会社や宮城県南三陸町の企業と共同で実施した「ICTを活用した生ごみ分別の参加状況可視化実験」についての結果をご報告いたします。本実験は、ICTの活用によって同町における生ごみ分別の状況に関する分析業務が効率化されるか、分別状況を住民にフィードバックすることにより住民の参加意識に変化があるかを検証しました。住民へのフィードバックが分別品質の向上に対して有効であるという結果を得られ、アミタが目指す住民主体の持続可能な地域創生に寄与するものとして期待しています。

「ICTを活用した生ごみ分別の参加状況可視化実験」の概要 


宮城県南三陸町では、域内の資源循環の取り組みとして、住宅や店舗から排出される生ごみを分別し、バイオガス施設「南三陸BIO」にて発酵処理を行うことで、バイオガスと液体肥料を生成しています。
アミタでは2016年以降、地区ごとの異物混入状況等を計測し、異物混入が少ない地区を優秀地区として発表するなど、“回収状況を住民へフィードバックする”取り組みを行ってきました。
本実験では、ICTの活用により生ごみの回収・分別状況を可視化することで、以下の検証を実施しました。

【本実験の概要】
(詳細はこちら:https://www.aise.jp/news/releace/180813_minamisanriku_nec.html

期間2018年8月20日(月)~11月30日(金)
対象南三陸町全域(4,590世帯:2018年7月末時点)
実施主体アミタ(株)、NECソリューションイノベータ(株)
協力南三陸町環境対策課、(有)リアス・エンジニアリング
検証内容1.参加状況の把握の効率化
2.住民に回収状況や分別参加への感謝を
フィードバックすることによって生じる参加意識の変化
検証方法①NECソリューションイノベータ(株)が提供するICTを活用し、
 地区ごとの生ごみの回収状況(回収量・分別率)をデータ化・可視化
②可視化された情報を活用し、回収状況を分析
③一部の回収拠点に感謝状および回収状況を示すレポートを掲示するとともに、
 感謝状掲示群(ランダムに抽出した42カ所)・感謝状非掲示群(219カ所)の2群に分け、
 感謝のフィードバックによる前後の状況を比較、効果を検証


実証実験の結果

①参加状況の把握の効率化
これまで紙媒体で行われていた、生ごみの回収状況の集計作業がデジタル化されたことで、データの蓄積・確認および分析が可能になりました。
また集計・分析作業が効率化されると共に、地区ごとの回収状況を基に、住民の分別認知度・モチベーション向上を目指した効果的な働きかけが可能となりました。

②住民に回収状況や分別参加への感謝をフィードバックすることによって生じる参加意識の変化


従来の集計作業の様子(データ化以前)

住民へのフィードバックを行うことは、ごみ分別に対する参加意識および分別品質の向上に対して有効であることが以下のグラフより示されました。一方で、生ごみ回収量については、フィードバックによる有意差が見られませんでしたが、感謝状掲示群(感謝を伝えた回収拠点)の方が、より変化量が大きく一定の効果(※)はあったと推察できます。

※全体として時間経過とともに資源量が増加する傾向があり、感謝状掲示以外の要因(季節による変動、住民説明会を通した周知活動、同年10月より実施した「包括的資源循環の高度化実証実験」における資源回収や啓蒙活動等)によっても資源量が増加した可能性が考えられる。

【本実験結果の発表について】
本実験の結果は、2019年3月14日~16日に開催された「情報処理学会(IPSJ) 第81回全国大会」(主催:一般社団法人情報処理学会)にて、NECソリューションイノベータ(株)より発表されました。

今後の方向性


本実験より、感謝のフィードバックを行うことで人々の向社会的行動を促進し、社会課題を解決できる可能性があるとの知見を得ることができました。これはアミタが目指す住民主体の持続可能な地域創生に寄与するものと考えています。
また、アミタホールディングス(株)は、2018年にNECソリューションイノベータ(株)と「『持続可能な社会の実現』のための事業推進に関する包括連携協定」を締結しています。今後は同社との連携を通して、同町における住民主体の持続可能な地域づくりを目指し、下記に取り組む予定です。

  • 本実験の分析データを活用した、生ごみの回収状況を改善する取り組みの提案・実施
     例)分別が優秀な地区を表彰する、分別率が低い地区へ分別指導を実施する等
  • 町内の資源排出量・時期・種類等の予測による、最適な資源回収・循環ルートの策定
  • ICTを活用した資源循環の可視化、および向社会的行動の分析・促進

※本実験以降の取り組みとして、2018年10月~11月に同社含む6社「包括的資源循環の高度化実証実験」を共同実施しました:https://www.aise.jp/news/releace/181003_minamisanriku-demo.html

バイオガス施設「南三陸BIO」について


「南三陸BIO」は、南三陸町内で排出される生ごみ・し尿処理汚泥等をメタン発酵技術によって、電気や熱エネルギー、液体肥料(液肥)として100%資源化する施設です。液肥とは、バイオガス生成過程から出る副産物であり、肥料として地域の田畑に散布されています。「南三陸BIO」の稼働により、町の有機系廃棄物がエネルギー・資源として地域内で循環し、地産地消が進みます。また、大規模災害が発生した際のエネルギー供給源(電気)としても利用でき、南三陸町が掲げる「バイオマス産業都市構想」の中核を担っています。



参考リリース

アミタグループの地域デザイン事業について

アミタグループはこれまでに全国60ヵ所以上における地域支援を実施してきました。これらの経験やノウハウを活かし、地域内の未利用資源を活用し、森・里・海・街の互恵関係を創出します。さらに域内の資源循環を叶える中核インフラを整備し、雇用創出・産業創出に貢献します。
【アミタホールディングス(株):資本金474,920,000円(東証JASDAQ市場上場:2195)】

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