アミタが宮城県南三陸町で委託栽培している薬草「当帰」、福島県立医科大学会津医療センターの漢方内科での取扱を本格化。国産生薬の普及と持続可能な地域づくりの同時実現事例として、さらなる需要拡大を目指します。

リリース

アミタ株式会社(以下、アミタ)は、宮城県南三陸町にて、薬用作物である「トウキ(葉・根を含む植物としての名称は“トウキ”、生薬としての名称を“当帰”と表記します)」の委託栽培を行っています。当地では、アミタのバイオガス施設「南三陸BIO」にて、町内から排出される生ごみを資源化し、エネルギーと液体肥料(液肥)を産み出しており、トウキ畑を含めた地元の田畑に液肥を散布することで、地域内資源循環の仕組みを構築しています。
本年より、福島県立医科大学 会津医療センター附属病院漢方医学センターにおいて、南三陸産当帰の本格的な取り扱いが開始されました。

トウキ(当帰)とは

トウキはセリ科の多年草で、特有の香りがする薬用作物の一種です。根は生薬として漢方薬や入浴剤などに、葉は食用として天ぷらやパスタなどの薬味や隠し味に使われています。
漢方では特に婦人薬として重宝されており、冷え性、月経不順、貧血、鎮静、鎮痛、強壮、便秘等に効果があるとされています。葉は薬事法の制限を受けないため商流を作りやすく、商品開発次第で事業採算性が期待できます。




栽培期間を半減するアミタの独自技術

一般的なトウキの生産は種撒きから収穫までおよそ2年かかりますが、アミタと千葉大学が共同開発した苗生産技術では、栽培期間を半分以下に短縮できます。そのため、自然災害や病虫害などによる損失リスクを減らし、より安定した生産が可能になります。
またアミタでは、薬事法の対象外となる葉の部分を健康食品素材として製品化する技術を確立し、生産農家の収入安定化に寄与しています。

福島県立医科大学 会津医療センターについて

同センターは福島県立医科大学の附属施設として開設され、会津地域全体の医療を支える総合医療機関です。特に、漢方医学センターは外来だけでなく入院病棟も備え、煎じ薬を用いた本格的な湯液診療(漢方内科)や鍼灸診療(漢方外科)を実施しています。また医療現場に漢方医学を正しく普及するとともに専門家の育成、良質な生薬の確保と調剤法および鍼灸の有効性などの研究も進めるなど、漢方医学における国内有数の先進医療機関です。

漢方の権威から認められた高品質の当帰

漢方薬の素材となる薬用作物は日本でも高い需要がある一方、その8割が中国から輸入されています。しかし、チャイナリスクや残留農薬の問題等、様々な課題・リスク要因により、国産生薬の需要が高まりつつあります。
また、安価で高品質な生薬の需要がある反面、薬事法で上限価格が定められており、無農薬などの栽培方法では採算が合わないケースが多いため、栽培農家が少ないのが現状です。
同センターでは、漢方医学を用いた医療を行うに当たり、安心安全な生薬の確保に努めており、栽培や加工についての現地指導などを通じて、国産生薬を生産する農家の育成に努めています。
南三陸産の当帰についても、同センターに医療用として品質が認められ、2017年6月より臨床での取り扱いが始まっています。

福島県立医科大学 会津医療センター 三潴 忠道先生のコメント
漢方は、古代中国医学が日本に伝来し1500年をかけて日本化した、わが国の伝統医学で、現在ではおよそ80~90%の医師が漢方薬を使っています。漢方診療で重要な生薬(天然薬物)は、種々の要因で国内生産が減少し、現在では約9割が輸入品(大部分が中国産)です。しかし、品質や安全性の確保、安定供給のために、国も国内生産の振興を重視しています。
当帰は医療用の漢方製剤148品目中、27%に含まれています。多くの難病に漢方診療を行っている当センターでも、約150種類の採用生薬中、使用量が12番目に多い重要品目です。この医療用基準を満たした南三陸産の当帰は、国産生薬の地産地消による需要促進によって地元東北の新しい産業振興につながれば、という思いで採用しました。

福島県立医科大学会津医療センターおよび三潴 忠道先生については、下記webサイトをご覧ください
https://www.fmu.ac.jp/amc/byouin/center_kanpou.html

南三陸産のトウキの栽培について


南三陸町では2015年10月から、住民が排出する生ごみを分別し、バイオガスプラント南三陸BIOを経てエネルギーと液体肥料へと資源化しています。エネルギーは主に施設運営に使用し、液体肥料は地元の農地に散布することで、地域内資源循環の仕組みを構築するとともに、持続可能な地域モデルとして地域のブランド価値向上に活用しています。南三陸産のトウキは、このバイオガスプラントから生れる液体肥料を使って育てています。現在、南三陸町内での作付面積は15a(1,500㎡)、生薬となる根の収量は約300㎏です。

※アミタは南三陸BIOの設備所有者かつ事業主体者です。

アミタグループについて

アミタグループはこれまでに全国60カ所以上における地域支援を実施してきました。これらの経験やノウハウを活かし、森、里、海の「もったいない」を活用した企画立案から実行、効果測定、持続可能な仕組みづくりまで、地域再生につながるようなトータルプロデュース事業を提案・実践しています。
【アミタホールディングス(株):資本金474,920,000円(東証JASDAQ市場上場:2195)

※広報・取材に関するお問い合わせ・お申し込みは以下へお願いいたします。

アミタホールディングス株式会社 経営戦略グループ 共感資本チーム 
担当:前田、井口
TEL:075-277-0795(直通)  FAX:075-255-4527
E-mail:press@amita-net.co.jp  URL:http://www.amita-hd.co.jp

アミタに関するお問い合わせはこちらから



ニュースリリース配信をご希望の方はこちらから