アミタ(株)、NECソリューションイノベータ(株)をはじめとする6社は、10/2より、宮城県南三陸町において地域内の一般ごみを対象とした「包括的資源循環の高度化実証実験」を共同で開始しました。

リリース


アミタ株式会社、NECソリューションイノベータ株式会社、宮城県南三陸町地元企業の合同会社MMR、株式会社佐久、有限会社山藤運輸、株式会社山健重機は、2018年10月2日より、南三陸町内の一般ごみの100%資源化およびそれを通じたコミュニティの活性化を目指す「包括的資源循環の高度化実証実験」を共同で開始しました。
本実証実験では、町内に資源循環の拠点を設置しICTを活用したポイント交換等を通じて、一般ごみの分別・回収率の向上と資源循環としての拠点の利便性および住民のコミュニティ拠点としての有効性等について検証します。


10月2日に実施した記者会見の様子

10月2日に実施した記者会見の様子


「MEGURU STATION」における住民のごみ出しの様子

「MEGURU STATION」における住民のごみ出しの様子


包括的資源循環の高度化実証実験について

【背景】

宮城県南三陸町は、東日本大震災からの復興に際し「森 里 海 ひと いのちめぐるまち 南三陸町」を目指すべき将来像と定め、資源循環を軸とした持続可能な地域創造に取り組んでいます。2015年に開所したバイオガス施設「南三陸BIO」では、町内の生ごみとし尿汚泥を回収し、液体肥料とバイオガスを製造。液肥は田畑で使用され、バイオガスは南三陸BIOの運営に使われるという、資源循環のループを構築しています。このたび、南三陸町における資源循環の更なる高度化に向けて、本実証実験を実施することとなりました。

【実証実験の目的と特徴】

本実証実験は、実施主体である6社が、南三陸町の全面的な協力のもと、町内におけるすべての一般ごみの資源循環率の向上と、これに伴う住民間の交流の活性化等を目的として実施するものです。町内に資源循環の拠点「MEGURU STATION(以下ステーション)」を1か所設置し、「持ち込まれる資源ごみの分別・回収の状況」「ステーションの利便性」「住民のコミュニティ拠点としての有効性」「住民の心身の健康促進に対する有効性」等を検証するとともに、本格運用に向けた課題を抽出します。

本実証実験の特徴は、次の5点です。

①地域住民がステーションまで自ら資源ごみを持ち込む。ステーションには、分別を指導するスタッフが常勤。
②協力してくれた住民にはインセンティブとして、ICTを活用した感謝ポイントを付与。
③ポイントは、各種サービス(例:カフェや環境配慮型商品との交換等)や地域貢献メニュー(例:地域への寄付制度等)に交換可能。住民がポイントを活用することで、地域内の交流の活性化や新たなつながりの形成に貢献。
④ステーションへの資源ごみの持ち込みが困難な方などを対象として実証期間中週1回定期便を運行することで、ステーションへの送迎支援を実施。
⑤参加住民は、「毎日のごみ出し」と「感謝ポイントの利用」を通じて、自然とより良い地域づくりの当事者となる。

【実証実験および「MEGURU STATION」の概要】

資源循環に向けた資源ごみの回収拠点となるステーションは「南三陸町高齢者生活支援施設 結の里」内に設けられます。駐車場の一角に、受付・回収場所を設置し、資源ごみを持ち込む住民に対し、その場で感謝ポイントを付与します。また、住民の資源ごみの持ち込みとコミュニケーションを促進する工夫として、併設するカフェとウッドデッキに「くつろぎ」「交流」「健康」「地域貢献」等に資するスペースを設けます。

実施期間 2018年10月2日~11月30日 ごみ回収の対象者 志津川地区(100世帯前後、300人前後)
※別途事業者(6社程度)向けも別期間で実施予定
実施主体と役割
  • アミタ(株):実証実験の全体企画および事務局業務、ステーション運営、住民の分別指導、集計/評価等
  • NECソリューションイノベータ(株):ICTを活用した感謝ポイントの付与、データ公開の仕組み構築等
  • (合)MMR:企画全般サポート、集計/評価等
  • (株)佐久:必要資材の調達等
  • (有)山藤運輸:交通弱者向け施策の企画運営、その他物流業務等
  • (株)山健重機:資源回収場所等の現場作りサポート、必要資材の調達等
協力 南三陸町 環境対策課
MEGURU STATION
の運営内容
設置場所 南三陸町高齢者生活支援施設「結の里」 〒986-0728 南三陸町志津川字天王山38-7
開放時間 平日及び土日祝 6:30~18:30  (※木曜のみ休み)
回収対象 従来の資源ごみ(缶、瓶、ペットボトル、古紙等)、不燃ごみ、プラスチック類、
紙くず・布くず・木くず、草木類、廃食用油、生ごみ

「MEGURU STATION」および周辺図



【感謝ポイント付与の仕組み】

地域住民が、ステーションに資源ごみを持ち込んだ際に、設置してあるQRコードリーダーにスマートフォン専用アプリ(Thanks APP)のQRコード画面もしくはQRコード付き専用カードをかざすことで、感謝ポイントが付与されます。また、資源ごみの持ち込みだけでなく、ステーションで行われる各種イベントに参加することで、感謝ポイントが付与されます。更にThanks APPでは、地域住民同士が身近で親切な行動に対して感謝の気持ちを伝えあうことでも感謝ポイントが付与されます。感謝ポイントは、南三陸町の住民みんなの役に立つものやつながりを感じられるものと交換できる設計としました。

例:
・ポイントを出し合い、地域の幼稚園に子ども達の成長を見守るクリスマスツリーを植樹(200Pで1回の寄付)
・住民が分別した生ごみを資源にバイオガス施設「南三陸BIO」で生成される、液体肥料を用いて育てられた地域のブランド米と交換(300P)




【取り組みの目的、意義】

■南三陸町
南三陸町は、震災後に「エコタウンへの挑戦」を掲げ、木質ペレットや生ごみ資源化に取り組んできました。2014年には「バイオマス産業都市構想」の認定を受け、2015年より生ごみの資源化が具体化しました。地域内で資源が循環し、それに伴い人々の関係性が深まり、雇用が生まれ、経済が発展していく。これが我々の目指す町づくりです。次なる大きな一歩として、焼却・埋立ゼロの町を目指したいと考えており、その具現化に向けて、本実証実験は非常に重要な取り組みだと認識しています。廃棄物の焼却・埋立コストを、町が誇る豊かな自然の保全や住民の交流促進にシフトする仕組みが構築できれば、町の持続性は大きく向上するでしょう。「MEGURU STATION」から、持続可能な未来への希望と夢が育つことを期待しています。

■アミタ株式会社
人口減少・少子高齢化等により、全国的に過疎化や社会保障費の増大、人間関係の希薄化といった社会課題が顕在化する中、今「住民自らが目指す未来の地域づくりの当事者となる」仕組みづくりが強く求められています。「ごみを出す」というすべての人が日常的に行う作業を通じて、限られた資源の有効活用に貢献し、さらに感謝の気持ちを贈り合うことで人々の交流・つながりを産み出す「MEGURU STATION」構想は、まさに住民が主役の、共助による地域づくりの取り組みです。南三陸町の皆様と共に、ぜひ本実証実験を成功させ、本格運用の実現に向けて大きく前進したいと願っています。

■NECソリューションイノベータ株式会社
当社は、全国に拠点を有する企業として、地域とのつながりを大切にしながら、地域の課題解決と自律的で持続可能な地域社会づくりに貢献する取り組みを推進しています。本実証実験の拠点となる「MEGURU STATION」は、参画各社の強みを結集することで、南三陸町における、持続可能な資源循環の仕組みを実現するとともに、地域社会の活性化につながるものと確信しています。また、本実証実験を通じて得た知見から、新たな課題を見つけ、学び、解決していくことで、「森 里 海 ひと いのちめぐるまち 南三陸町」の実現への貢献を目指します。

実施主体各社の会社概要

◆アミタ株式会社
2000年4月設立(グループの設立は1977年)。「自然資本と人間関係資本が増加する持続可能な社会づくり」をミッションとするアミタグループの事業会社。企業・自治体の持続性の向上を統合的に支援。事業領域は、サステナブルビジョンの策定・環境戦略の立案・廃棄物リサイクル・環境認証審査・生物多様性保全支援・環境管理業務のアウトソーシング等、多岐にわたる。グループ取引先顧客数1,244社(行政・自治体含む)、連結売上高48億円(2017年度実績)。
本社所在地:〒604-0847 京都府京都市中京区烏丸通押小路上ル秋野々町535番地
http://www.amita-hd.co.jp/

◆NECソリューションイノベータ株式会社
1975年9月設立(NECソリューションイノベータ発足は2014年)。官公庁・自治体、企業から一次産業等の幅広い業種のお客様に向けたSI/サービスと、ソフトウェア開発を軸に事業を展開。人が豊かに生きる、サステナブルな社会の実現を目指し、お客様との対話や産官学の連携を大切にしながら、先進的なICTとイノベーションで新しい価値を生み出す共創パートナーとして、地域に密着した課題の解決と社会づくりに貢献すると共に、社会に貢献することに挑戦している。
本社所在地:〒136-8627 東京都江東区新木場一丁目18番7号
https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/

◆合同会社MMR
2015年、南三陸町の若手経営者3名(林業、建設業、運送業)で設立。木質バイオマスの活用事業として、木質ペレットの販売及びペレットストーブの販売、地域で未利用だった木製のモデル住宅を改装し、起業家等が集うシェアオフィスMLABの運営も行う。地域のあらゆる未利用資源を有効活用することを通じて、持続可能な地域づくりを目指す。
本社所在地:〒986-0768 宮城県本吉郡南三陸町志津川字御前下25番地
https://m-mmr.amebaownd.com/

◆株式会社佐久
1750年に今の南三陸町志津川五日町にて設立。山の価値を高める為、林業の未来の開拓を目指し、分水嶺に囲まれた南三陸町において、木材生産だけでなく、山の機能を高めることにこだわる経営を行う。所属する南三陸森林管理協議会は、2015年にFSC認証取得しており、FSC認証と南三陸杉の普及に注力している。
本社所在地:〒986-0728宮城県本吉郡南三陸町志津川字天王山138-11 志津川建設株式会社 内
http://www.sakyu-minamisanriku.jp/index.php

◆有限会社山藤運輸
1988年に南三陸町にて設立。材木運搬から創業し、建設関連輸送、宅配便輸送、引越輸送、廃棄物輸送等の地域の暮らしと産業を支える運送事業を行う。近年は、生ゴミを電気と肥料にするバイオガス施設で生産される液体肥料の運搬散布事業を行い、液肥利用農作物のブランド化を目指し、持続可能な町づくりの一翼を担う。その他、資源循環モデルの確立、間伐材を活用する木質ペレット関連事業の推進を行い、地域と共に笑顔で成長し、地域社会に貢献する企業を目指す。
本社所在地:〒986-0725 宮城県本吉郡南三陸町志津川字沼田141-3
http://www.yamafuji-unyu.com/

◆株式会社山健重機
1989年4月設立。南三陸町を中心に宮城県内、岩手県南部などで土木工事、上下水道工事、舗装工事、解体工事などを行う。東日本大震災により壊滅的な状態の中、復旧・復興するため会社一丸となり、地域復興に注力。今まで培った実績と技術を生かし、瓦礫撤去、解体工事をはじめ下水道工事、造成工事、道路工事などを請け負っている。その他、新規事業として、ペレットストーブ販売や、ストーブメンテナンスなどを行い、地域の森林活用及び木材利用の促進事業を行う。
本社所在地:〒986-0782宮城県本吉郡南三陸町入谷字桵葉沢152番地

<本件に関するお問い合わせ先>

■ アミタホールディングス株式会社へのお問い合わせ
経営戦略グループ 共感資本チーム 担当:井口・西島
電話:075-277-0795(直通) / ファックス:075-255-4527
メール:press@amita-net.co.jp

■NECソリューションイノベータ株式会社へのお問い合わせ
担当:経営企画部 担当:高山
電話:03-5534-2214 / ファックス:03-5534-2684
メール:press@nec-solutioninnovators.co.jp

■合弁会社MMRへのお問い合わせ
担当:佐藤 克哉
電話:080-6046-5825
メール:mmr.syy2015@gmail.com

■株式会社佐久へのお問い合わせ
担当:専務取締役 佐藤 太一
電話:0226-46-2037
メール: taiichisakyu@gmail.com

■有限会社山藤運輸へのお問い合わせ
担当:代表取締役 佐藤 克哉
電話:0226-46-5825 / ファックス:0226-46-5235
メール:info@yamafuji-unyu.com

■株式会社山健重機へのお問い合わせ
担当:代表取締役社長 山内 利也
電話:0226-25-9548 / ファックス:0226-25-9648
メール:yamaken-k@mx4.et.tiki.ne.jp

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